皆さん、ATPルールブックって読んだ事ありますか?
以前からキャリア600試合以上をこなした選手は、マスターズ1000を何のペナルティもなく一度スキップ出来ると聞いてましたが、根拠が見つからなかった。
でも、見つかりました!以下忘れない為にも、先日Twitterで話した内容を貼っておきます。marieさん、情報有難う
ATPルールブックは
http://www.atpworldtour.com/Corporate/Rulebook.aspxからダウンロードできます。
292ページもありますが、大事なのはp.13、第1.08項!
1.08 Reduction of ATP World Tour Masters 1000 Commitment
A. A player’s number of ATP World Tour Masters 1000 commitment tournaments shall be
reduced by one (1) tournament for reaching each of the following milestones:
1) 600 matches* (as of 1 January of the commitment year)
2) 12 years of service
3) 31 years of age (as of 1 January of the commitment year)
If all three (3) conditions are met then the player has a complete exemption from the
ATP World Tour Masters 1000 player commitment.
The first Year of Service shall be the first calendar year in which a player has competed
in at least twelve (12) tournaments offering ranking points.
簡単に言えば、①600試合以上プレーする。②プロになってから12年以上経過。③31歳以上。
これらの条件を一つ満たすごとに、マスターズ出場義務は一つずつ減ります。
そして、全ての条件を満たした翌年の1月1日以降は全てのマスターズシリーズへの出場義務からはフリーになります。
Rogiの場合2013年からは、義務に縛られる事なく、自由に出場大会を選べます。
ランキング次第でドローも変わってくるので、出場大会数が極端に少なくなることは無いと思います。
しかし、ペナルティもなく、文句も言われず、体調次第で出場大会を決められるのが嬉しいかな・・・なんて。
で、年齢とRogiの試合数の関係に興味を持ったのでまとめてみました。TOP4の3人の方もついでに・・・。
ちなみに、表に入れませんでしたが、 21才では81試合(59―22)、20才では70試合(49-21)、19才では66試合(36-30)、18才では52試合(29-23)、
17才では68試合(55-13)
ナダルやマレーの同年齢の時の試合数より常に多い。ジョコビッチよりわずかに少ない。
しかし、Rogi25才(2006年)までは、マスターズの1回戦Byeはありませんでしたし、決勝は5setマッチでした!
しかも、途中リタイア一度も無しですよ!!!なんか、とてもとてもすごくありません?
Rogi、偉い!!! (追記:ジョコがアジアツアースキップを発表しました。となると、ジョコの今年の試合数は最大でも82試合となり、やっぱりRogiの方が多い!)
最近ツアーの過密スケジュールを訴える選手達と、ATP・ITFの話し合いが上海でもたれることが話題になっています。
話し合いが不調に終わった場合はスト・大会ボイコットも辞さず、と
今のところRogiはストについては何も語っていません。ただ、全米のスーパーサタデーはもう機能しないのではないか、とだけ話しています。
で、いろいろ記事をあたってみました。
まず9月19日付けのBBC 「Britain's Andy Murray 'serious' about tennis strike threat」
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/tennis/14977449.stmマレー「プレーヤー達は過密スケジュールで深刻な状態だ。シーズン中に2~3週間のOFFを。そして大会数を2~3個減らして欲しい。
話し合いがうまくいかなければ、ストも辞さない。」
ナダルは全米決勝後、間をおかずにD杯を戦わねばならなかったので、D杯スケジュールについて不満を述べている。
しかし、ITF会長は「選手の主張には一貫性がない。ITFの反対にもかかわらず2009から実施された今のD杯スケジュールに投票したのは
選手達自身ではないか」と。
同じく9月19日SI.COM 「Nadal can’t complain about tennis schedule」
http://tennis.si.com/2011/09/19/rafael- ... -schedule/疲れ果てたナダルは試合をしたいのに、身体が付いていかないと過密スケジュールを非難している。
しかし彼がスケジュールに不満をもらすのはこれが初めてではない。ここ数年常である。
全米オフィシャルが選手に対して同情と理解をしめさないと不快感を顕わにしたナダルは、再び不満を示している
「ストはしたくないが、正しい事を貫くには強い手段も時には必要だ」と言う。しかし、現行D杯スケジュールは君自身が望んだのではなかったか?
2006年にナダルを含むTOP20名の選手が投票し、ITFに要求し2009から実施されたのである。
ナダルは14大会+D杯を2度戦っている。これは他のトップ選手より多いが、それは本人の選択だ。
(GSへの)ウォームアップ、ポイント、出場料(appearance fees)、プライド、記録…いろいろ理由はあるだろうが、
強いられたのでもないのにmust出場ではない(小さい)大会への出場を選んだのは本人である。
そのように疲れるなら自分のスケジュールを調整すべき。You are your own boss.
エキシビに出て疲労すべきではない。
で、このような動きに対して批判の声。9月20日BBC 「Michael Stich criticises strike talk from Andy Murray」
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/tennis/14985897.stm1991年全英優勝M・シュティヒ
「文句言うたり、ストする言うたり…感心せ~へんな~。エドバーグやわしらの頃はシングルスだけやの~て、ダブルスかてやってたもんや。
昔と比べたらシーズンも短こ~なっとるし、大したことないがな。
大会と選手は持ちつ持たれつ、いうんを忘れたらいかん。大会が無かったら、キャリアも積めへんし、オマンマの食い上げやで…。」
前のイギリスD杯キャプテンD・ロイド
「普通ストいうんは、働いてるのにお金が貰えへん、ちゃんとした職場が無いからやるもんちゃうか?
選手らの結構な待遇と稼ぎを考えたら、同情する気になんかなれへんな。。」
Lawn Tennis Associationの前のperformance directorのフェルゲート
「ストになるとは思わへん。特にGSではあるわけないがな。一番揉めてるんはD杯やろ。そやけど、殆どの選手は早うに負けるから、
GSのすぐ後にD杯があっても気にならへんのとちゃうか?どう変わるか分からんけど、いっつも同じことで揉めとるがな」
9月21日BBC ナブラチロワは擁護 「Martina Navratilova backs Andy Murray strike talk」
http://news.bbc.co.uk/sport2/hi/tennis/15008898.stm「マレーが何故非難されるかわからない。ストしか方法が無いなら団結してやれば良い。私は25年前からシーズンが長すぎる、と言ってきた。
問題は特にD杯、トップの選手にとっては負担が重すぎる。昔と違ってラケットも変わったし、プレーの身体への負担が大きくなっている。
TOP選手がいなくてはツアーは成り立たない。ストをすれば、長すぎるツアーと今まで殆ど何も変わらなかったのが変わるかもしれない。
テニスはオフシーズンの無い唯一のスポーツだ」
最後に9月26日 モントリオール・ガゼッタ紙 「An ATP uprising? There’s an easier way」
http://blogs.montrealgazette.com/2011/0 ... asier-way/ 高収入を得る選手達の泣きごとを無視はしない。誰でも文句を言う権利はある。昔のプレーヤーの「俺達の頃はもっと・・・したもんだ」を受け入れる気もない。
ゲームは昔と比べて格段に過酷に、そして肉体的強さを要するように変わった。
全米が「試合をやれと言うのだから、(四の五の言わずに)やってこい」とばかりに選手らをコートに押し出そうとしたのが今回の騒動の起爆剤となった。
ナダルの問題はいつもスケジュールだ。彼の身体は耐えられない。
だが、肉体の極限まで追い込む方法を選んだのは彼自身であり、彼はその代償を支払っているのだ。
マレーは2~3週間の休みが欲しいと言った。しかし、出場義務のないバンコクと北京(←東京の間違いですよね)をスキップすれば、休みは取れるはずだ。
ナダルは昨年タイで7桁の出場料を受け取ったと報じられている。となればマレーがタイに行く理由も想像できる。お金とポイントのためだろう。
ジョコビッチは・・・何も言ってない。
king of tennis、フェデラーも何も言ってない。彼はいつも賢くスケジュールを組み、自分のペースを守る。
休養が必要なら取る。自分で選択し立派なキャリアを築いてきた。
「スケジュールのタイトさは馬鹿げている。変えなければいけない。上海で何かが起こる」とマレーは言うが、フェデラーがいない。
ジョコビッチもいないかもしれない。二人を欠いて効果がある…?
選手が声をあげる術が無いわけではない。彼らはそれを利用しなかったのだ。フェデラー、ナダル、ジョコビッチはここ数年ATP理事会に参加している。
スケジュール問題は目新しいものではないし、彼らはずっと以前からそれを言える立場にあったのだ。
(問題になっている)D杯スケジュールも、ITFの反対にもかかわらず彼らが望んで投票して決めたのだ(TOP選手20人中17人が賛成)。
最大の問題はTOPプレーヤーの不満が必ずしも他の大多数の選手と同じではないという点だ。彼らは立場が違う。
NFLのクォーターバックのスター選手でも、彼らにボールを投げたり、彼らのためにブロックしてくれる選手がいなくてはスターになれない。
それと同様に、TOP選手はそうではない大勢の選手抜きには(彼らを負かして)今のランキングを手に入れることはできなかったのである。
トップ選手はスターである。しかし、現在のATPには(TOP選手でなくても)興味深い個性を持ち人々の注目をひく選手が大勢いる。
これはモントリオールでフェデラーが指摘した点だ。彼らの立場はすこぶる弱い。
例えばもしTOPプレーヤーがウィンブルドンをボイコットしたなら、何人の一般の選手がついてくるだろうか?
きっと「ああ、あんた達はバカンスに行ったらいいさ。俺たちはクリーム付きストロベリーをたっぷり味わい、ランキングも稼がせてもらうよ」と言うに決まってる。
ボイコットしても、大会は変わりなく開催されるだろう。
文句を言う前に自分の本音に耳を傾けた方が良い。(問題を解決するために)出来る事がある筈なのに、やりたい事だけをしようとするからだ。
ロディックがオクラホマでエキシビをしたのは彼の選択。ナダルがフェレールとエキシビをするのも彼の選択。
ジョコビッチとナダルがIWとMiamiの間にコロンビアへエキシビに行ったのも彼らの選択。
テニスシーズンは実際エンドレスだが、Top選手が全豪、全英、全米後に一月の休みを取れるのが実情だ。出場大会数を減らす選択もあった筈だ。
賞金、出場料、ランキングポイントを諦めて、NOと言うのを学ぶべきだ。しかし彼らはNOと言って自分達が不評をかうのが嫌で、それを制度化してほしいのだ。
NOと言うのはキャリアを長らえる為に支払うほんの小さな代償にすぎないように思えるのだが。
そもそも最終目的が出来るだけ選手に多くの試合をさせ、利益を得ようとする組織に頼るよりも、である。
う~~ん、難しいですね
全米のBHの選手の件は確かに「4日で4試合とは、あんまりな…」と思いました。選手の抗議も当然と思いました。
ま、基本Rogiは関係なかったのでどっちでも良かったと言えばそうなんですが(苦笑)が、ど~してこのような問題に発展し、こじれるのか分からない。
問題のD杯ですが、オリンピックと交互に4年に1回にするとか、なんとかならないでしょうか。
Rogiも絶対に出たい筈なんでが、身体がそれを許さないので、仕方なく批判を甘んじて受けてスキップせざるをえなかったんだと思います。
しかし、D杯に出たいために文句タラタラ、というのも感心できない
大会数を減らす件については、(うろ覚えですが)
「大会が多いのはいい面もあるんだよ。ポイントを失ったら別の大会に出て、取り返せるチャンスが増えるものね」と言ってました。
きっと自分の若い頃を振り返り、下位の選手の立場も分かっているんですね。さすが選手会長、positive thinking man です
←いた過ぎオタ目線w
それに、マレーやナダルが言うように、大会数を減らせばその大会のファンが残念に思う筈です。でも、大会をスキップしてもファンが悲しむ。。。
ポイントを獲得してランキングを上げたい、賞金が欲しい、高額のappearance fees(出場料)も欲しい…etc.
世界中で待つファンを喜ばせたいと願う選手もいるし、人気者になりたいと頑張る人もいる。全てを満たすって無理ですよね。
でも、注意深く賢いスケジュールを組んで、30才になった今でも強く美しいプレーでファンを魅了してくれるRogiに脱帽
東京のスキップは悲しかったけど、やはりRogiの選択は正しかった、と今になって思います(…2009は例外)。
無理な大会には敢えてNOと言っても、なお、今の若い世代よりも多くの試合を長年プレーし続けてきたRogiに感心します!
マスターズ出場義務の軽減は若いころから自分自身をしっかり管理し、ここまでやってきたRogiへのご褒美みたいなもんですね
しかし、一番の解決策はコートを早くして決着が早くつくようにする。
同時に、選手自身がシコリテニスを改善して、一試合の時間を短くするよう心掛けることじゃないの?・・・な~~んちゃって
最後にマレー君、言い分は理解は出来るけど、もう少したくさんの試合をしてから文句言った方が良いんじゃないの?若いにしては年間試合数少なすぎ!
以上、何が言いたいのか自分で忘れてしまうくらいの長文、済みませぬ
訳は一部関西弁にして遊んでしまいましたが、趣旨はほぼ曲げてないつもりです。チョー訳なので悪しからず。間違いあったら教えて下さいまし
追記:自分用備忘録としてUSオープン記事 「After Open, Everybody Still Talking About the Weather」
http://www.nytimes.com/2011/09/18/sport ... .html?_r=3